女性会議

開催要項 2024年4月23日(火)・24日(水) 

 「男性は仕事」「女性は家事・育児」などといった役割分担が性別によって固定化される価値観に、窮屈さを感じるという人が増えてきました。
 現在は、制度上は女性住職が認められている一方で、お寺は家父長制の意識を元にして男性優位で継承されていることが多く、また、性別によってお寺で担う役割がはっきりと異なるかたちが多く残っています。
 そのような家父長制を元にした意識・現実と時代の流れとのはざまでギャップを感じながらも、それが問題にもならずもどかしい思いをされている方もいるのではないでしょうか。
 多くの人が性差別は問題であることは理解していても、その現状を変えるのは難しく、日常の中でどう行動していったらいいのか悩んでしまいます。今回は落合恵美子先生をお招きして、戸惑い葛藤しながらも、未来につながる一歩となるよう、一緒に学び、語り合いませんか。

日時 2024年4月23日(火)13時30分~24日(水)12時00分

場所 しんらん交流館(京都市下京区諏訪町通六条下る上柳町199)

開催方法 対面(講義のみZoom)

講師 落合恵美子氏(京都産業大学現代社会学部現代社会学科教授)

定員 30名(定員に達した場合は申込を終了します)
   *2日間参加を基本とします。
   *上記定員とは別に、初日の講義のみ聴講の方も受け入れます。聴講はZoom及び会場どちらでも可能です。
   *性別は問いません。

詳細 開催要項はコチラ(PDF)

申込方法 申込フォームからお申し込みください。申込フォームを使用できない方は、解放運動推進本部女性室までメールでお問い合せください。

申込締切 2024年4月8日(月)必着。※ただし、定員に達した時点で締め切らせていただきます。

申込フォーム コチラからアクセスできます。

主催 真宗大谷派 解放運動推進本部女性室(075-371-9247)

報告記事

2021年度開催記事 2022年4月21日~22日開催

 

 4月21日から22日に、「女性会議」を開催しました。昨年度同様、オンライン形式で行われました。初日の講義は、個人参加者と全国17ヵ所のパブリックビューイング会場を合わせ、100名以上が聴講されました。

 まず、女性室スタッフの趣旨説明において、過去の女性会議で必ず「家」や「相続」が話題となっていたことが確かめられた上で、「家の宗教から個の自覚の宗教へ」という同朋会運動のスローガンが紹介され、寺院が「家」を前提とした世襲制で相続されていることに、教団内の誰もが矛盾を抱えているのではないかとの問題提起がありました。

 上野千鶴子氏(社会学者・東京大学名誉教授)による講義では、初めに、大学入試での「不正入試問題」で、数多くの大学が女性に不当な採点審査を行っていたことに関するデータ等を参照し、現代の日本において性差別が色濃く残っていることの裏づけがなされました。また婚姻制度による女性の位置について、「嫁げば他家の女」という言葉を紹介され、いまだに男系長子相続を優先する社会における女性の不遇に言及されました。

 更に、上野氏のライフワークである女性学については、「フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です」と話され、自立とは依存しないことではなく、依存先を分散することであるとの指南がありました。

 その後質疑応答があり、最後に「性差別問題と部落差別問題を再生産するならば宗教は存続できません」と叱咤の言葉がなげかけられました。

 二日目は26名が参加し、感話に引き続き、オンラインで班別の語り合いが行われ、日々の生活での様々な悩みを聞き合う時間となりました。心ない差別的な発言に対する態度の取り方として、「沈黙は同意、笑いは共犯」と差別に加担してしまう問題性や、閉鎖的な寺院の中での坊守の生きづらさ等について話し合われました。