女性住職の集い

開催要項 第11回 2022年2月24日(木)~25日(金)

~法務にたずさわる女性にも対象を拡大して開催~
 「女性住職の集い」第11回目となる今回は、参加者を「法務にたずさわる女性」として、これから住職になろうとする人や自分の立ち位置に悩んでいる女性にも拡大して開催します。
 1日目は女性住職を対象に、2日目は日々の法務に携わる女性の方々を対象に開催し、今抱えている課題や疑問を通して、女性の視点でこれからの歩みを確認していきます。
 女性住職誕生以来30年を経ましたが、現状は、住職の男女比を見ればいまだ約2.7%に留まっています。この低い数字の原因は何か、解決策はあるのかというようなことも、あらためて考えていきたいと思います。
 去年に引き続きオンライン開催となりますので、小さいお子様のいらっしゃる方や、お寺を留守にできない方も是非ご参加ください。

日時 ① 2022年2月24日(木)13時30分~17時
   ② 2022年2月25日(金)13時30分~17時

開催方法 Zoom

参加費 無料

対象者 ①24日開催 女性住職、女性の住職代務者、女性住職就任予定者
    ②25日開催 上記含めて、法務にたずさわる女性

定員 ①②それぞれ30名

申込方法 申込フォームを使用いただくか、住所、氏名(ふりがな)、メールアドレス、所属教区、組、寺院教会名、役職、参加希望に日を記入のうえ、解放運動推進本部女性室までメールでお申し込みください。
申込フォームリンクはコチラから

 

申込締切 2022年2月10日(木)必着

主催 真宗大谷派 解放運動推進本部女性室(075-371-9247)

※詳細 開催要項はコチラ(PDF)

 

報告記事

2021年度開催記事 第11回 2022年2月24~25日

 

 2月24日及び25日の二日間、第11回「女性住職の集い」を開催しました。

 昨年に引き続き、限られた時間でのオンライン開催で、初日は「女性住職・代務者・就任予定者」を対象に、二日目は新しい試みとして「法務にたずさわる女性」にも参加対象を拡大して実施しました。女性住職や坊守をはじめ、様々な立場から、延べ45名の女性が参加しました。

 開会式では荷葉一浩解放運動推進本部事務部長が挨拶し「大谷派女性住職誕生以来30年が経った現在、住職の男女比はいまだ約2.7%、女性僧侶も35%にとどまっています。同じ立場の女性たちが集い、普段の思いを共有し、この先未来の女性たちにも道を切り開いてほしい」と述べました。

 自己紹介の後、比叡谷紗誓女性室スタッフが集いの開催の歴史や願いの簡単な説明を行った後、過去の集いに寄せられた感想をもとに、宗門のマイノリティ側である女性住職のおかれた状況、セクハラ問題を含むジェンダー関連の事例を紹介しました。また現在の、女性たちの共有の悩みとして「継承・声明・教学解釈」の三つがあるのではないかと発題しました。

 参加者はその後少人数の班に分かれ、日頃の思い等様々な内容について時間いっぱい話し合いがなされました。また、全体会では寺院規則や坊守の規定問題を共有する場面もありました。

 参加者からは「これからもオンラインだと参加しやすいし、助かる」「様々なことを発信、問題提起し続けてほしい」「女性室がもっと相談窓口になってほしい」等の意見がありました。また、「発信内容が愚痴や苦情にまで広がり、場がもったいない」という意見があった一方で、「話を聞いてもらえる場は大切だ」等の声が多数寄せられました。

2020年度開催記事 第10回 2021年3月2日

 3月2日「第10回女性住職の集い」が開催され、14名が参加しました。昨年度は新型コロナウイルスの感染拡大によりやむを得ず中止となったが、今回は日程を大きく縮小しオンラインで開催しました。

 開会式は望月慶子解放運動推進本部長の「女性住職は男女比で言えば2.6%であり、組織の中で意見が反映されやすくなるとされる三割には全く届いていないことから、様々なご苦労があろうかと思います」という挨拶で始まりました。

 続いて発題として企画調整局から「『新型コロナウイルス感染症の影響下における寺院の教化活動の工夫に関する調査』報告」(本誌3月号32頁~掲載)について説明がありました。

 その後の班別座談では、新型コロナによる悩みも含めた情報交換、抱えている問題等が話し合われました。主な問題点としては、女性だということで向けられる拒否反応が門徒や家族にもあること、住職の仕事と併せて坊守としての役割も求められること等が挙げられました。一方で住職の性別にかかわらず門徒から協力が得られているという報告や、葬儀の際に女性の優しい声のお勤めでよかったと言われたことが励みになったという意見もありました。

 全体会では、新型コロナの影響下における工夫や、性差を超えて課題共有していく視点等について共有しました。声明の問題については、音域の違いを超え、自分の声で無理なく出す、あまりに合わないときは声を出さずにいる等、それぞれの対応の仕方が話し合われました。

 また、各教区の教化委員会に女性が少ないことから、女性側の意識を活性化することが課題であることが確認されました。

 今回初めてのオンライン形式での開催となったが、参加者からは「オンラインだからこそ参加できた」「法務等様々な状況で会場に行けない人にとっては良い機会になる」との声がありました。

2018年度開催記事 第8回 2019年3月12日(火)~13日(水)開催

テーマ 点から線への出会いを! ~日ごろの悩み、話せないこと、ざっくばらんに語り合いませんか~

 3月12日〜13日の2日間、しんらん交流館を会場に「第8回女性住職の集い」が開催され、全国から17人の女性住職・住職代務者が参加しました。

 1991年に女性住職の道が開かれ、2019年2月末現在、182名の女性が住職、76名が代務者に就任しています。法務や生活の現場での課題を共有し語り合う場として開かれるこの集いは、初回の2010年から回数を重ねて8回目となりました。

 はじめに、参加者2名より発題がありました。まず長谷川真由美さん(東京教区光照寺住職)は、住職を継承した経緯をはじめ、東日本大震災や近隣地域であった大規模な水害を経て「お寺に住んでいる者は何ができるのか、何をしていくのか、その中でご門徒さんとどう関わっていくのか」など、災害とそれに呼応したボランティア活動が寺院における生活の柱になっていることをお話しいただきました。次に市岡ひろみさん(京都教区光雲寺住職代務者)からは、寺院での活動を中心に、カルト宗教の問題が身近にあることなどをお話しいただきました。 

引き続き、しんらん交流館1階交流ギャラリーで開催中の「いろいろな性を生きる展」を見学し、その後の班別座談では各自の課題について語り合いました。

 2日目の全体協議会では、介護・育児と法務との両立や経済的な問題を中心に、それぞれの寺院で抱える切実な課題が声にされ、活発な意見交換が行われました。

 参加者からは、「女性の声でのお勤めが合わせやすくて衝撃を受けた」「宗門興隆のためにも、女性が気がついたことを大きな声で言える場所が必要」「一人ひとりの伝えようとしていることを丁寧に記録・公開することの大切さを思った」といった声が寄せられました。

2017年度開催記事 第7回 2018年3月7日(水)~8日(木)開催

テーマ 点から線への出会いを! ~日ごろの悩み、話せないこと、ざっくばらんに語り合いませんか~

 2018年3月7日~8日の2日間、しんらん交流館を会場に「第7回女性住職の集い」が開催され、全国から15名の女性住職・住職代務者が参加しました。

 1991年に女性に住職の道が開かれ、2010年より7回目を迎えるこの集いは、現場で経験した課題を共有し、それぞれの思いを語り合う場となっています。開会にあたり、寺田解放運動推進本部事務部長は「昨年末の時点で女性住職は176名と数で言えば圧倒的な少数である。ざっくばらんに語り合う場という趣旨の集いにおいて、それぞれのご苦労や思いを伝えしてほしい」と挨拶しました。

 はじめに、中川和子女性室スタッフから、「なぜ女性住職の集いを開催し続けるのか―その願いについて―」とする発題がありました。中川スタッフは寺の一人娘として跡継ぎの重圧の下に育ち、住職を継承した後も、男性住職と同様になろうと努力をしました。一方で、家庭や社会では旧来の女性の役割を求められるという二重の負担に苦しんだといいます。男性中心的構造の中へ女性が入っていくことの困難さを、過去六回の参加者の声を紹介しながら語りました。一人ひとりのためにこういう場が用意されることが画期的であり、「各自の課題は違っていても、同じ「問い」を抱える「当事者」として一緒に考えていきたいと結びました。

 引き続き、しんらん交流館一階交流ギャラリーで開催している「あいさん・あうさんのアイアウすごろく展」を見学した後、班別座談で活発な意見を交わしました。2日目の全体協議会では、社会状況が激しく変化する中で、寺院運営・門徒との関係などの課題に、女性ならではの視点や発想で取り組む具体的な事例が語られ、情報交換の場となりました。過疎や門徒の減少という現実的問題の中で、女性は法務、男性が就労という寺族が増えるのではという予想や、住職と坊守会の役職を兼務せざるを得ない例も多く、今後の課題となってくるのではないかという意見が出ました。

 参加者からは、「それぞれの場で頑張っている方々との出会いは、刺激があった。一人じゃないということがわかり、ありがたい」「女性住職の集いに出た意見を集約し、記録に残してほしい」といった声が寄せられました。