女性室ギャラリー展

開催要項 2020年2月26日(水)~3月23日(月)


 この度、国際女性デー(3月8日)にちなみ、女性室主催「いろいろな性を生きる2」の展示を行います。

 2019年の紅白歌合戦ではレインボーフラッグが振られる一場面があるなど、LGBTQをはじめとする性の多様性について、社会の認識が変わってきたことを感じます。声を上げづらかった当事者たちが、それでも地道に社会へ向かって声を上げ、それに共感する人の輪を広げ動くことによって、この変化は成し遂げられてきました。

 私たちは、男か女かどちらかの性別であること、加えて異性愛を前提とした社会生活を送っています。しかしその前提が必ずしもすべての人に当てはまるわけではありません。女性室では、男女ともに相手の声を聴き合い、出会い直したいという願いのもと活動を進めてまいりました。その中で「私たちの姿は見えていますか?」という問いかけを受けることがあり、「男女」という分け方だけでは捉えきれない性のありかたやその問いかけに、どう応答していけるのかということが一つの課題となりました。

 今年は、キュンチョメ(アートユニット)の映像作品『声枯れるまで』・『私は世治』の上映を通し、昨年の「いろいろな性を生きる」展に引き続き、性の多様なあり方に触れてみたいと思います。作品中、ひとりひとりから語られる、それぞれのジェンダーと名前をめぐるストーリーは、カテゴリー分けや善悪など超えて、そのままの形でこちらまで届いてきます。その生き方に心を揺り動かされながら、私たちの性のあり方について共に考え合う機会になることを願います。

 身に染み付いた立場を越えて、「一人(いちにん)」として、御同朋・御同行としてどう出遇っていけるのか。一人ひとりがお互いの存在を認めあい、いろいろな性をいきいきと生きられる社会になることを願います。


テーマ「いろいろな性を生きる2」

平日 9時~18時/土日祝 9時~17時 [火曜日休館]

場所 しんらん交流館1F 交流ギャラリー

主催 真宗大谷派解放運動推進本部女性室

チラシはコチラPDF

-名前で重要なのは、名前には親の愛情が必ず入っているということ、あと性別の情報が入っているということなんです。この2つの“情”を書き換えた人たちの新しい名前を、私はすごく美しいと思いました。新しい名前には、「自分はこう生きたい」という思いが全部詰め込まれている。だからこそ、私はその名前を叫びたくなったんだろうと思います。

/ホンマエリ(キュンチョメ)「あいちトリエンナーレ2019」市原佐都子×ホンマエリ(キュンチョメ)×サエボーグ 座談会 より

報告記事

2019年度開催記事 2月26日(水)~3月23日(月)

「いろいろな性を生きる展2」開催
〜多様な性をいきいきと生きられる社会へ向けて〜

 国際女性デー(3月8日)にちなみ、2月26日から3月23日まで、しんらん交流館一階交流ギャラリーにおいて「いろいろな性を生きる展2」が開催しました。昨年に引き続き、男女という分け方だけでは捉えきれない「多様な性のあり方」がテーマで、今年は、キュンチョメ(アートユニット)の映像作品『声枯れるまで』・『わたしは世治』の上映を行いました。

 『声枯れるまで』は、性別と名前を変えた3人の人物に、その経緯や名前の由来についてインタビューし、最後に名前を叫ぶ作品。また『わたしは世治』は、*FtMの子が母と会話しながら、一緒に筆を握り、親からもらった元の名前の上に新しく自分がつけた名前を書いてくという作品。どちらも性と名前をテーマにした作品で、世の中の性別規範への違和感や、具体的に身体の性を変えることについて、親の愛情が込められた名前と自分で獲得した名前への思い、親子の関係と葛藤などが、それぞれに語られる。
 このふたつの映像作品を中心に、去年の「いろいろな性を生きる展」のパネルからも多数展示しました。

 期間中は、新型コロナウイルスの影響により、しんらん交流館での催し物が全て停止している状況であったが、京都新聞に当展示の記事が出たことをきっかけに、少人数ながら興味を持たれた方が足を運ばれ、両作品ともじっくり時間をかけて鑑賞される姿が見られました。来場者からは、「LGBTQとは、私と全く関係のない存在であると思っていたが、生き難さを抱え、そしてその中で生きようとしている点で、私と同じなのではないかと感じた」「映像作品であるからこそ伝わるものがあると思った」「東本願寺の取り組みに感銘を受けた」「多様な性のあり方について新聞などでは取り上げても、実生活の場では、まるでないことのようになっているのが不思議」などの感想が寄せられました。
 *FtM Female to Maleの略。出生時に分けられた性別は女性であり、性自認は男性の人。


2018年度開催記事 2月27日(水)~3月25日(月)

いろいろな性を生きる展
~多様な性を認めあえる社会を願って~

 国際女性デー(3月8日)にちなみ、2月27日から3月25日まで、しんらん交流館一階交流ギャラリーにおいて「いろいろな性を生きる展」を開催しました。この展示では、男女という分け方だけでは捉えきれない多様な性のあり方を、絵やチャート表などを使って、よりわかりやすく表現しました。「社会の中であてはめられる性」と「自分の性のあり方」に違和感を覚える人が左利きの人と同じくらいの割合でいると言われている中、あらためて「私」の性のあり方と出会い直し、それぞれが生きやすいしくみや社会を共に考えるきっかけになればと企画したものです。

 会場では、いろいろな性を18枚の絵で描いた「わたしのともだち」や、遠藤まめた氏(LGBTユースの居場所「にじーず」主宰)の寄稿「「多様な性」を認め合える社会へ」(女性室広報誌『あいあう26号』収載)、教育現場や職場でのカミングアウト、アウティング(勝手に曝露すること)の実態、いわゆる「ホモネタ」(LGBTをネタとした冗談やからかい)が蔓延している現状などをグラフ化し、根強い偏見や差別の実態をイラストや色彩で工夫して、より見えやすいようにパネルを展示しました。他に、いろいろな性の用語解説や絵本・映画紹介、自分の性自認を当てはめてみるチャート表の展示、絵本やマンガの閲覧コーナーも設けました。

 観覧者の中には、「セクシャルマイノリティとして今までに困ったこと」という生の声を集めたパネルに見入る姿も見られました。また、「知っているようでわかってない問題だ」「あらためて自分自身の性を問うこととなった」「教鞭をとる側の理解が足りない」等の感想が寄せられました。

2017年度開催記事 2018年3月1日(木)~23日(金)開催

アイアウすごろく展
~近現代の女性たちの歴史~

 3月8日の国際女性デーにちなみ、3月1日~23日まで、しんらん交流館一階交流ギャラリーにおいて「あいさん・あうさんのアイアウすごろく展~近現代の女性たちの歴史~」を開催しました。この展示では、『あいあう』第28号に収載の「あいさん・あうさんのアイアウすごろく」をもとに、明治期以降の宗門に関わる女性たちの歴史、女性に関わる制度の変遷をたどりました。制度上は性別による差別はなくなってきた今、私たちの意識や関係はどう変わってきたのか、または変わっていないのか、共に考える機会にしたいと企画しました。

 会場では、巨大印刷した「すごろく」をタペストリーのように掛け、その周りに主要なコマごとの説明パネルを展示。1879年「女子の得度と小教校への入学を認めず」とした資料をはじめ、1925年に出された「坊守規程」や当時の“期待された坊守像”についての資料、戦争末期に女子の得度が許された際の「臨時女子教師検定」合格者の記念写真や手記、また、宗門における女性参画の現状がどのように推移しているかグラフを用いて視覚的に表したパネル等が目を引きました。

 他に、女性室の年間活動をまとめた壁新聞や「女と男のあいあうカルタ」を紹介するパネルなどを展示しました。

 見学者からは、「祖母や母たちの世代の女性たちの小さな積み重ねが、すごろくに表現された歩みと重なって感じられた」「女性が自由に意見を言って語り合えるようになったのは最近のことなんだと思った」などの感想が聞かれました。