女性会議
開催要項 2025年5月15日(木)・16日(金)
近年の女性会議では、「一人に立つ」のテーマをもとに、女性の一人としての尊厳について学んできました。第22回では上野千鶴子先生(東京大学名誉教授)から「家と女性」の講題で、第23回では落合恵美子先生(京都産業大学現代社会学部教授)から「家父長制/女性差別とは何か」の講題で、それぞれご講義をいただき、家父長制の成り立ちと女性差別の関係を学びました。
現在の宗門では、制度上は女性の住職就任が認められている一方で、お寺は家父長制の意識を元にして男性優位で継承されていることが多く、性別によってお寺で担う役割がはっきりと異なるかたちも依然として多く残っています。このような宗門の状況は、親鸞聖人を宗祖と仰ぐ念仏の僧伽でありながら、女性の一人としての尊厳が守られているとは言い難いです。
今回は、昨年度まで龍谷大学ジェンダーと宗教研究センターで活動され、現在は京都大学白眉センター特定准教授の大谷由香先生をお招きして、仏典における女性観と仏教の女性差別の変遷を改めて学び、真宗教団・寺院における女性差別問題の根源にある仏教の女性観を確かめます。そして、宗門の現状の根源にあるものを改めて確かめることにより、女性の一人としての尊厳を守ることにつなげたいと思います。一緒に学び、語り合いませんか。
日時 2025年5月15日(木)13時30分~16日(金)12時00分
場所 しんらん交流館(京都市下京区諏訪町通六条下る上柳町199)
開催方法 対面(初日講義のみZoom有)
講師 大谷 由香 氏(京都大学白眉センター特定准教授)
定員 30名(定員に達した場合は申込を終了します)
*2日間参加を基本とします。
*上記定員とは別に初日の講義のみオンラインを使用し、聴講希望者を受け入れる。
*宗派内僧侶・門徒
*性別は問いません
申込方法 申込フォームからお申し込みください。申込フォームを使用できない方は、解放運動推進本部女性室までメールでお問い合せください。
申込締切 2025年4月25日(月)必着。※ただし、定員に達した時点で締め切らせていただきます。
申込フォーム コチラからアクセスできます。
その他 一部教務所では、初日の講義を同時配信でご覧いただけます。配信の有無については、最寄りの教務所におたずねください。
主催 真宗大谷派 解放運動推進本部女性室(075-371-9247)
報告記事
2023年度開催報告記事 2024年4月23日(火)・24日(水)
4月23日から24日まで、しんらん交流館大谷ホールにおいて「女性会議」を開催、初日の講義をオンライン視聴された方も含め、約30名が参加しました。
初日はまず女性室スタッフより趣旨説明が行われ、その中で、「宗派の諸制度において性別による制限は解消されたが、私たちの価値観や意識は、男性優位の家父長制が前提となっており、意識をするしないにかかわらず、その影響を様々に受けているのではないか」との問題提起を行いました。
続いて、京都産業大学現代社会学部現代社会学科教授の落合恵美子氏から「家父長制/女性差別とは何か」との講題で講義がありました。落合氏は社会学の観点から、女性の労働力率について、年齢及び年代、諸国と比較した統計資料を用いて現代の日本の状況について説明。また、古代から近代にいたる各時代における家や家族のあり方の変遷について、必ずしも日本は男系だけで家を存続させてきたわけではなく、女系を認めない父系制社会の国と比較すると、緩やかな「疑似父系化」した社会であり、家父長制についても日本古来から伝統されてきたものではなく、近代化において西洋から影響を受けた「近代家父長制」であり、「近代の伝統化」であると押さえられました。
参加者からは、「近代の体制を伝統だと思い込んでいた」「伝統だと思い込んでいることもきちんと検証する必要性を感じた」「現代の女性の立場が近代化の中でつくられたことをあらためて実感した」といった感想が聞かれました。
2日目は初日の講義を受けて座談会が行い、寺院における住職と坊守の関係性や、性別役割分担に対する男女の受け取り方の違い等、それぞれが課題にしていることを話し、共感する場となりました。