女性会議

開催要項 2022年4月21日(木)・22日(火) 

 日本は世界ジェンダー格差指数で156ヵ国中120位(2021年3月)です。日本のジェンダー平等が遅れている理由のひとつとして、家父長制という意識があると言われています。
 家父長制のもととなった家制度は、戦後の民法改正によって廃止されていますが、私たちの意識の中には、今なお色濃く残っています。
 さて、私たち宗門ではどうでしょうか。寺院は多くの場合、住職の世襲という形で受け継がれています。女性の住職や坊守に関する議論の中で、家(イエ)の意識は世襲制や寺院の閉鎖性、家父長制や長子相続の意識等の問題性が指摘され、「真の独立者たらん」という念仏者の願いとは矛盾する部分があります。
 今回は、家・家族という切り口から私たち宗門の課題を確認するべく、女性会議を開催します。私たちの未来につながる一歩となるよう、学び語り合いませんか。
 あなたの参加をお待ちしております。

日時 2021年4月21日(木)・22日(金)13時30分~16時30分

場所 Zoom

講師 上野千鶴子氏(社会学者・東京大学名誉教授・認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長)

定員 30名(定員に達した場合は申込を終了します)
   *2日間参加を基本とします。
   *上記定員とは別に、初日の講義のみ聴講の方は、50名まで受け入れます。
   *性別は問いません。

詳細 開催要項はコチラ(PDF)

申込フォーム コチラからアクセスできます。

 

主催 真宗大谷派 解放運動推進本部女性室(075-371-9247)

報告記事

2021年度開催記事 2022年4月21日~22日開催

 

 4月21日から22日に、「女性会議」を開催しました。昨年度同様、オンライン形式で行われました。初日の講義は、個人参加者と全国17ヵ所のパブリックビューイング会場を合わせ、100名以上が聴講されました。

 まず、女性室スタッフの趣旨説明において、過去の女性会議で必ず「家」や「相続」が話題となっていたことが確かめられた上で、「家の宗教から個の自覚の宗教へ」という同朋会運動のスローガンが紹介され、寺院が「家」を前提とした世襲制で相続されていることに、教団内の誰もが矛盾を抱えているのではないかとの問題提起がありました。

 上野千鶴子氏(社会学者・東京大学名誉教授)による講義では、初めに、大学入試での「不正入試問題」で、数多くの大学が女性に不当な採点審査を行っていたことに関するデータ等を参照し、現代の日本において性差別が色濃く残っていることの裏づけがなされました。また婚姻制度による女性の位置について、「嫁げば他家の女」という言葉を紹介され、いまだに男系長子相続を優先する社会における女性の不遇に言及されました。

 更に、上野氏のライフワークである女性学については、「フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です」と話され、自立とは依存しないことではなく、依存先を分散することであるとの指南がありました。

 その後質疑応答があり、最後に「性差別問題と部落差別問題を再生産するならば宗教は存続できません」と叱咤の言葉がなげかけられました。

 二日目は26名が参加し、感話に引き続き、オンラインで班別の語り合いが行われ、日々の生活での様々な悩みを聞き合う時間となりました。心ない差別的な発言に対する態度の取り方として、「沈黙は同意、笑いは共犯」と差別に加担してしまう問題性や、閉鎖的な寺院の中での坊守の生きづらさ等について話し合われました。

 

2020年度開催記事 2021年4月13日開催

 2021年4月13日、「女性会議」を開催しました。昨年度は新型コロナウイルスの感染拡大により開催できなかったため、企画内容をオンライン形式に変更。しんらん交流館と、個人参加者や教務所に設けた教区サテライト会場をつなぎ、全国から百名以上が参加した。2019年に発行した『女性史に学ぶ学習資料集』をテキストとし、真宗大谷派における女性たちと男女平等参画への歩みを振り返る形で、執筆者より講義を受けました。

 はじめに土屋慶史女性室スタッフより趣旨説明として、女性会議の性格・目的とともに、「#MeToo」運動や東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長(当時)の森喜朗氏の女性蔑視発言への世論の高まりがある中で、宗門のあり方を問い直す提言がありました。

 山内小夜子氏は、性差別とは何かを確認したうえで、「女性を対象にした教化団体」の歴史から、女性は教化される対象であり主体的に組織運営にあたっていなかったこと等、過去の歴史に今の自分の立ち位置を考えることを提示しました。見義悦子氏は、「教団の構成員として~女性が目覚めるきっかけ」と題し、教団問題や部落解放同盟からの糾弾を通して、主体的に生きるとは何か、また女性が教団の正式な構成員として認められていない立場に置かれているのではないかということに気づかされたと述べられた。

 参加者からは、子育てや介護の中で上山がかなわないため、オンライン開催を喜ぶ声があった一方、膝を突き合わせて意見交換ができないことが残念だという声も聞かれた。また、性的少数者への視点や、教団や儀式・声明に女性としてどう関われるか、女性室としての取り組みがあるのか等の積極的な質問がありました。

2018年度開催記事 2019年5月8日~9日開催

第19回「女性会議」開催
一人に立つ~近代教学の女性観~

 2019年5月8日から9日にかけて、第19回「女性会議」が真宗本廟研修道場で開催されました。近代日本仏教史・近代日本思想史の研究者である福島栄寿氏(大谷大学教授)を講師に、2日間にわたり講義と座談、協議が行われ、24名が参加しました。

 第17回ならびに第18回の女性会議では、第16回の女性会議において参加者一同から提出された「要望書」を契機として、日本の中世における仏教の女性観を学んできました。それを受けた今回の女性会議では「一人に立つ~近代教学の女性観~」をテーマに、明治・大正時代から戦後の同朋会運動以降における、真宗大谷派教団の女性教化の歴史、女性観を学びました。

 初日、福島氏は明治期以降から昭和戦中期にかけての女性教化を通史的に概観する中で、『精神界』の姉妹誌であった『家庭』などにおける近代教学者の教説が、存覚の『女人往生聞書』や江戸期の伝統的「坊守訓」の偏った女性観を前提として女性救済を語るものであり、それらが従来の「変成男子」理解を助長するものだったことを指摘しました。その後の質疑応答を兼ねた全体座談では、参加者から講師へ積極的な質問がありました。

 2日目の講義では、戦後から現代における女性教化の言説を概観しました。福島氏は2日間の講義のまとめとして、「明治維新から150年が経過する中で通底音のように流れ続けているのは「五障三従」という偏見に基づく女性教化の教説で、その教説が幾度も繰り返されてきた」と述べ、それらが「家族形態の変化や性的少数者の権利尊重と差別解消への意識が高まる現代社会では通用しない」と指摘されました。また全体協議では、講義の動画配信や広報の工夫など様々な意見が出ました。最後に、人権週間ギャラリー展における「パネル差し替え」にかかる説明責任と、女性差別問題への宗門としての実効性ある取り組みを求める、参加者一同による要望書が出されました。

2017年度開催記事 2018年5月7日(月)~8日(火)開催

第18回「女性会議」開催
一人に立つ ~聖教に見る性差別を考える~ 

 2018年5月7日~8日にかけて、第18回「女性会議」が研修道場道で開催されました。日本中世史・古代中世仏教史研究者である平雅行氏(大阪大学名誉教授・京都学園大学名誉教授)を講師に、二日間にわたり講義と座談、協議を行いました。参加者は32名です。

 女性室では、一昨年の女性会議において参加者一同から提出された「要望書」を契機として、昨年の女性会議で「五障・三従」「変成男子」「女人結界と女人成仏」といった問題を手がかりに、日本仏教が女性に対しどのように教えを説いてきたかを学ぶなど、お聖教と性差別の問題について、様々な検討を行っています。

 今回の女性会議では「一人に立つ~聖教に見る性差別を考える~」をテーマに、女性がどのような存在として語られ、救済の対象となってきたのかを学びました。

 初日、平氏は日本仏教と性差別を考える上で注意すべき前提として、言葉の世界における性差別と社会における実体的な性差別が必ずしも合致しないことを指摘されました。その上で、古代から中世における家父長制家族の成立過程をはじめとして、日本仏教と世俗社会が女性差別を受容し、深化・定着していく経緯をたどり差別と救済がセットとなった「差別的救済論」の背景の問題点について丁寧に講義を行いました。また、旧仏教と鎌倉仏教における女人往生について述べる中で、法然・親鸞の教えが女人往生というよりも、むしろ機根平等を説くことに主眼があるとしました。その後の質疑応答を兼ねた全体座談では、参加者から講師へ積極的な質問がありました。

 2日目の講義では、中世の女性と仏教を在俗出家の例を挙げて解説。戦国期には家父長制家族の広範な成立により、女人罪業観の言説が社会的に浸透し受容されていく過程を説明されました。その後の全体協議では、講師から「改革なくして伝統は守れない」という指摘があり、参加者の感想にはこの指摘に多く頷く声が寄せられました。