男女共同・平等参画実施計画

宗門では、「男女両性で形づくる教団」の実現を目指し、男女共同・平等参画の推進に継続的に取り組んでいます。
本ページでは、現在推進する「男女共同・平等参画実施計画」の概要と取組の最新情報を公開するとともに、これまでの歩みや取組の成果を随時お知らせします。

ニュース

2026年06月15日
男女共同・平等参画実施計画

 

第3次 男女共同・平等参画実施計画
はじめに

 これまで宗門は、宗憲前文に使命として掲げる「同朋社会の顕現」を果たしていく教団として、「同朋教団」としての在り方を不断に問い直しながら、種々の取り組みを進めてきました。
 特に、1996年「男女両性で形づくる教団」をスローガンに「女性室」が設置されたことを契機に、宗門における制度機構、教学教化、儀式声明作法など、あらゆる分野における女性の参画とその在り方が課題化され、制度的対応と意識改革の両面において具体的にその解消を図る取り組みが始められました。
 さらに、2013年には「男女共同参画推進会議」が設置され、期間ごとに具体的目標を掲げた「男女共同参画実施計画」により、宗務機関を挙げて施策の推進を図ってまいりました。
 これらの取り組みにより、制度上の機会均等化が進められるとともに、女性の宗門運営への参画についても一定の成果を挙げてきましたが、その歩みは未だ道半ばと言わざるを得ないのが現状であり、今後も持続的な取り組みが求められます。
 「第2次 男女共同参画実施計画(2024~2025年度)」では、特に男女共同参画推進会議と女性室のこれまで以上の有機的な連携の強化と、実効性のある体制の整備を課題として掲げ、両機関における検討作業を重ねました。これを受け、今般あらためて「第3次 男女共同・平等参画実施計画」を両機関連名で掲げ、更なる課題解消に向けた取り組みを進めてまいります。

 

スローガン 男女両性で形づくる教団を目指して

 宗門では過去30年にわたり、「男女両性で形づくる教団」をスローガンとして掲げてきました。制度上の平等を基盤としつつ、宗門運営への主体的な参画を推進する実践面では「共同参画」を、また、性差別の克服という課題意識に立った学習や啓発を推める理念面では「男女平等」を掲げ、男女が性別の違いを超えてともに教団を担い、その責任と役割を分かち合う「同朋教団」の姿を求めて取り組みを重ねてきました。
 しかし、本山のみならず普通寺院をも含めた宗門全体を見れば、なお男性中心の構造が残っているのが現状です。社会における性の在り方や価値観の変化も踏まえつつ、固定的な性別役割分担意識を超えて、宗門に心寄せるすべての者がともに主体的に宗門を支えるため、そのための機会や環境が等しく整えられ、互いを平等な立場で尊重し合える教団の実現を目指して、当初より掲げてきた「男女両性で形づくる教団」というスローガンをあらためて再確認し、取り組みを進めてまいります。
 また、これまでの実践面・理念面双方の歩みをあらためて一体的に位置づけ、さらなる発展を期するため、本計画の名称を「男女共同・平等参画実施計画」に改め、推進していきます。

 

実施期間

 2026年度~2028年度(同一年次である教化研修計画と軌を一にして取り組む)

 

取組概要

 ≪「男女両性で形づくる教団」を目指して≫をスローガンに掲げ、「男女共同参画推進会議(総務部所管)」と、「女性室(解放運動推進本部所管)」の両機関が有機的連携を図りつつ、重点施策をはじめとする種々の施策を推進する。
 また、この課題に向き合う全ての宗門人の使命と責務をより明確にするとともに、宗務機関としての推進体制の一層の充実を期し、将来的な基本条例の制定をも視野に、両機関において検討を進める。

 

役割分担

●男女共同参画推進会議:宗務機関全体の総合調整
 ※適宜「同朋会運動推進会議」にて宗務機関相互の課題共有を図る
●女性室:意識啓発や学習研鑽の場の提供/情報や意見の収集・共有・発信
●各宗務機関:所管業務においてスローガンに基づく取り組みを個別実施
 ※取り組みの成果は男女共同参画推進会議において集約・公表する

 

基本施策

●男女共同参画推進会議
①実施計画に基づく各宗務機関への必要な指示、情報集約、総合調整
②性別構成の偏りの改善及び多様な宗門参画の促進に向けた全宗務機関的取り組みの推進
③本実施計画及び進捗状況や取り組みの成果の周知
●女性室
①女性の宗門活動の活性化に必要な調査及び研究
②性差別問題に関する情報交換並びに課題共有の場の提供
③広報誌『あいあう』等による情報発信並びに啓発
④女性の宗門活動に資する人の養成

 

重点施策

①全教区における推進体制の整備

 宗門全体における本施策の普遍的な定着を期し、本期間において、あらためてすべての教区において「男女両性で形づくる教団の実現」を明確な課題として取り組む体制が整備されるよう取り組む。

【宗務所における基本的な取り組み】
 ・教化委員長会等における具体的な指示の継続
 ・教区間の情報交換や課題共有を促進する場の提供(「男女両性で形づくる教団をめざす協議会」の充実)

【教区において必要となる基本的な取り組み】
 ・教区内組織における男女共同・平等参画の状況把握及び促進
 ・教区内に対する継続的な意識啓発及び意見集約
 ・性差別問題に関する学習研鑽の場の提供

 

②性差別・ハラスメントに関する相談支援体制の整備

 宗門においては、これまで職員を対象としたハラスメント相談窓口や内部通報制度の整備など、法令に基づく体制整備を進めてきた。一方で、一般の僧侶や門徒については、こころの悩みを受け止める相談の場は設けられているものの、性差別やハラスメント等の事案に特化した相談窓口として明示されたものは現状存在していない。
 宗門内において生じ得るこれらの事案については、立場や関係性への配慮から声を上げにくい状況が想定されることから、安心して相談できる導線を明確にし、相談先や手続の周知を図ることが求められる。また、事案の内容や性質に応じて、専門的知見を有する外部機関等へ適切につなぐ仕組みを含め、実効性のある支援体制を検討する必要がある。
 こうした観点を踏まえ、相談支援のあり方について具体的検討を進め、宗門全体として信頼性と実効性を備えた相談支援体制の整備を図る。

 

③宗門運営への多様な参画を促進する方策(アファーマティブアクション※を含む)の調査研究

※アファーマティブアクション(積極的改善措置):構造的要因により生じている参画機会の不均衡を是正するため、一定の配慮措置等を講じる取組。

 これまで、宗門内のあらゆる組織において男性数が圧倒的に優位な現状を踏まえ、改善方策の一つとして、「男女共同参画推進に向けた組門徒会員選定に関する特別措置条例」を制定し、組門徒会における女性比率の向上を図ってきた。その結果、現在は三割を超える水準に至っているが、一方で、正副会長や教区門徒会、参議会等の役職者構成における女性比率はなお微増に留まっている。
 2027年に組門徒会員の改選を控える中で、あらためて本条例の趣旨徹底と更なる施策展開の方途を模索するとともに、組会や教区会をはじめとする他の諸機関の構成の在り方や、役職登用や人材育成の視点も含めた幅広い検討を進め、条例にとどまらない実効性ある参画促進方策について調査研究を行う。
 これらを通じ、宗門運営に多様な視点を反映する体制の構築を目指す。

 

基本的な考え方と行動指針

 宗門における男女共同・平等参画の推進は、制度の有無やその改善にとどまらず、宗門を構成する一人ひとりの意識や参画の在り方、宗門運営の構造全体に関わる課題として捉える必要があります。そこで、本実施計画3年間の取り組みに留まらない、宗門全体としての継続的な取り組みの指標として、常に堅持すべき基本的な行動指針と、これに基づく課題解消の方向性を、以下のとおり確認します。

行動指針①
【差別や偏見の解消と互いを尊重する文化の形成】
性別や性自認・性的指向に基づく差別や偏見、固定的な役割分担意識にとらわれることなく、互いを同朋として尊重し、差別問題に関する学びを深め、あらゆる差別や差別心に基づく排除的・暴力的行為などをなくすよう努めます

≪課題解消の方向性≫
・多様な性の尊重と包括的理念への見直し
・性別や性自認・性的指向に基づく差別や偏見、固定的な役割分担意識の解消
・住職や役員は男性が担うべき、坊守は女性が基本であるなど、宗門特有のジェンダー意識の是正
・寺院や宗門活動における差別的・排除的な言動や慣行の見直し
・差別問題や人権に関する継続的な学びの充実
・ハラスメントやDVを許さない風土の醸成と、相談や悩みの共有がしやすい環境の整備

 

行動指針②
【平等な参画機会の確保と構造的課題への対応】
性別や性自認・性的指向にかかわらず、平等に宗門活動への参画の機会が確保されるとともに、制度及び慣行における差別的又は排除的な要因が除去されるよう、あらゆる場においてその取り組みを進めます

≪課題解消の方向性≫
・意思決定機関における坊守や門徒、女性や若者など多様な参画(意見反映)機会の確保
・僧侶や教師資格の取得をめぐる、性別に基づく意識・慣行の改善と支援の充実
・育児・介護・寺院や家庭内の無償労働など、ケア労働の偏在の是正
・ケア労働を担いながらでも宗門活動に参画できる環境の整備
・坊守制度をはじめとする現行諸制度の点検
・職員における採用・昇進・育成面での男女共同・平等参画の推進

 

行動指針③
【主体的で多様な参画の在り方の尊重】
性別や性自認・性的指向にかかわらず、自らの意思に基づいて宗門活動への参画の在り方を主体的に選択するとともに、多様な立場や視点が宗門の運営を豊かにするものであることを理解し、互いの選択を尊重します

≪課題解消の方向性≫
・意思決定機関への参加に限らない宗門運営への多様な参画形態の再評価
・本人の意思に基づく宗門運営への参画方法の選択を互いに尊重する文化の形成
・多様な立場や視点が宗門運営を豊かにするという共通理解の醸成
・宗門運営に関わるすべての人の働きがい(やりがい)と誇りの向上

 

・第3次実施計画の「本編」PDFリンク


宗門の現況とこれまでの取り組み成果

「宗門の現況とこれまでの取り組みの成果(2026年6月現在)」PDFリンク
  本資料は、これまでの取り組みの経過や現況を整理したものです